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第143回 メニュー表示と景品表示法

H25.11.7 松宮 慎

最近、ホテルのレストランにおけるメニューの不適切表示が話題になっています。飲食店が実際の料理にメニューと異なる食材を使用することは、不当景品類及び不当表示防止法という法律で規制されています。この法律は、俗にいう「景品表示法」と呼ばれる法律で、「不当な表示」と「過大な景品類の提供」という2つの異なる行為を規制しています。「景品表示法」というネーミングからは、景品に関する規制のみのように誤解されがちですが、正式名称から分かるように、商品や役務の不当表示についても規制しています。

景品表示法が規制の対象とする表示は、「顧客を誘因するための手段として,事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示」とされており(同法2条4項)、飲食店のメニューも、この「表示」に当たります。
また、景品表示法は、事業者が、自己の供給する商品又は役務の取引において、商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示をすることを禁止しています(同法4条1項1号前段)。
このような表示は、一般に、「優良誤認表示」と呼ばれており、飲食店が実際の料理にメニューと異なる食材を使用することは、この優良誤認表示に当たります。

ところで、表示の決定に関与した事業者に故意・過失があることは、優良誤認表示の要件となっておりませんので、事業者が、実際の食材がメニュー表示と異なることを知り得なかったとしても、景品表示法違反となります。
また、メニューと異なる食材を提供したにもかかわらず、売上げが伸びなかった、あるいは逆に下がってしまった、という場合でも、当該表示が優良誤認表示であることには変わりがありません。

景品表示法違反については、報道等によるリピュテーションの低下が当該企業にとって大きな問題となりますが、優良誤認表示に該当するとして、景品表示法を所管する消費者庁から措置命令(同法6条)を受けると、一般消費者に景品表示法違反の事実を周知するため、新聞に謹告文を掲載しなければならず、多額の費用負担が発生することにも留意が必要です。

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