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第111回 IMSBC CODEについて

H24.11.20 林 智子
  • 今回は,IMSBC Codeについて,ご紹介します。

    IMSBC(International Maritime Solid Bulk Cargoes)Code(国際海上固体ばら積み貨物規制)は,いろいろな固体ばら積み貨物を船舶で運送する際の運送方法等を定めた規定です。

    ばら積み貨物とは,一般に,穀物や鉱物等の梱包されていない乾貨物のことをいい,ばら積み貨物を運ぶ船をばら積み貨物船といいます。ばら積み貨物船内は,倉庫のようになっていて(船倉),当該船倉に,梱包されていない穀物や鉱物等がそのまま積み込まれます。

    このように,ばら積み貨物船には貨物がバラバラの状態でそのまま積載されていますので,積み荷の偏りによって船が転覆することがあります。例えば,穀物を運ぶ場合,穀物は,船の横揺れにあわせて船倉の一方の端から他方の端へ移動します。そうすると,だんだん,どちらかの端に穀物がたまっていき,船の傾きを引き起こし,それにより他の貨物も偏り,極端な場合には,船が転覆するという事態が起こりえます。

    また,ばら積み貨物が発火しやすい性質のものであった場合,航路等によっては,当該貨物から自然発火することもありますし,溶けやすい貨物であった場合,液状化して,それが転覆につながることもあります。

    したがって,ばら積み貨物船では,どのような特性・性質の貨物を積んでいるかを正確に把握して,適切な方法により積載することがとても重要となります。

  • IMSBC Codeの目的は,ある特定の固体ばら積み貨物の輸送に伴う危険性に関する情報を提供すること,及び,固体ばら積み貨物を輸送しようとする際にとるべき手順の指示を規定することによって,固体ばら積み貨物の積載と輸送の安全を推進するという点にあります。なお,穀類の運送のための要件は,ばら積み穀類の安全運送に関する国際規則において規定されているため,同Codeの規制対象外です。

    海上における人命の安全を守るための条約として,SOLAS条約があります。この条約は,あの映画でも有名なタイタニック号の事故を契機として制定されたものですが,IMSBC Codeは,このSOLAS条約を詳述しているという位置づけです。

    IMSBC Codeには,それぞれの貨物について,特徴,危険性,運送に関する要件,種別(種別A:液状化するおそれのある貨物,種別B:化学的危険性を有する貨物,種別C:種別A,Bの両方の危険性を有しない貨物)等が記載されています。例えば,「石炭」は,可燃性物質であり,自然発熱する等のおそれがある,大部分が細かい場合には液状化することがある…種別B(and A)等が記載されています。

    このIMSBC Codeは,2011年1月1日から強制化されており,上記のような貨物の詳細な情報(特性・性質等)を船長に提出することを荷送人に義務付けています。また,IMSBC Codeに記載されていない貨物についての取扱いについても規定されています。これは,すべての船舶が対象となり,全ての固体ばら積み貨物(穀類を除く)が対象となっています。日本でも基本的にIMSBC Codeをそのまま取り入れていますが,内航船等については,一部遵守義務を軽減しています。

  • IMSBC Codeの具体的内容,事務手続等は,国土交通省海事局のホームページをご覧ください。
    http://www.mlit.go.jp/maritime/safetyenv/kotaishinsa/kotaishinsatop.html

    また,IMSBC Codeは今般改正され,2013年1月1日から義務化されます。具体的な改正内容は,IMO(International Maritime Organization 国際海事機関)のホームページをご確認ください。
    http://www.imo.org/blast/blastDataHelper.asp?data_id=30651&filename=318(89).pdf

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